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Column

美術館に行けない私が、アートや芸能を応援するサイトを作った理由。

私は、美術館が苦手だ。映画や映像に関係する仕事をしていたが、映画館も苦手だ。ついでに言うと、本を読むことやYouTubeを見ることなどにも苦手意識を持っている。これは、そんな私がアートや芸能を支援する決意をした話。

受け取りすぎてしまう「想い」

先ほど述べた事柄を「苦手」と感じる理由は明確。
作り手や周りで鑑賞している受け手の感情を受信しすぎてしまうため、ものすごく疲れるのだ。
若干HSPの気質を持ち合わせているのかもしれないと感じることもある。
本やYouTubeは自分のペースで受け取りを中断できるので、うまく付き合えるが、美術館や映画館の途中退場は基本的にしない方がいいだろう、というマナー的な側面から、最初から最後までしっかりと受け取ってしまっていた。
退館するころには、とてつもない疲労感、ものによっては頭痛を感じ、翌日はできることなら1日中寝ていたい。
それくらい、美術館や映画館は、私にとって「疲れる場所」だった。
もちろん、美大に行ったり仕事にしたりするくらいだから、苦手と感じながらも嫌いではないのだ。

アウトプットする行為の大切さ

好きだけど苦手、という一見矛盾している感覚をすり合わせる作業も模索した。
模索する中で、受け取りすぎてしまうわりにアウトプットの機会を設けていないことに気づいた。
というのも、ああでもないこうでもないと言い合える人がいる時は、あまり疲労感を感じずに鑑賞できたのだ。
普通ならもっと早く気づきそうなものを、20代半ばでようやく気づいたのだった。

苦手と得意が表裏一体であることに気づく

その一方で、私は密かに得意としていたものがあった。
それは、「人が言いたいことをいい感じにまとめて文章にする」という、役に立つやら立たないやら、そんな微妙なスキル。
「いい感じに文章にするからいつでも相談してな!」と触れ込んでいたわけでもないが、何かを言いたい相手とシチュエーションを伝えられ、「何て伝えたらいいと思う?」と相談を受けることが多かった。
職場の飲み会の断りや好きでもない相手からの告白の断り、仕事を辞める時の切り出しなど、受け取りすぎてしまう私の苦手分野である負のオーラをまとった相談も多かったが、その場で情報をアウトプットできることが功を奏していたのか、話終わったあとに疲れはしなかった。
むしろ、受け取りすぎてしまう部分がプラスに働いていたのだった。

思い返せば中学生のころ、各委員会のメンバーが書いた1年間の活動感想文のようなものを先生か添削していたところに立ち会ったことがあった。
他の生徒は帰宅し周りに人が少なかったため、山のような感想文から一枚見せてもらい、「この文とこの文、逆の方がわかりやすいのに」などと、今思えばどの口が言っているんだと感じるが、人様の書いた文章を勝手にぶつぶつと添削したのだ。
すると、添削していた先生が手を止めた。怒られると思った私は黙ったのだが、先生は「おっ、添削できるね、やってみる?」と数枚渡してくれた。
先生としては、山が少し減ればラッキーくらいの感覚だったのだろうけど、これが覚えている範囲での「人が言いたいことをいい感じにまとめて文章にする」の始まりだったのかもしれない。
もちろん、添削なので思いっきり変えてはいないが、その作業が苦ではなかったことを覚えている。

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欠点だと思っていた部分を強みに変えて役立てたい

苦手な感覚だと思い込んでいた「受け取りすぎスキル」となんとなく得意だなと感じていた「人が言いたいことをいい感じにまとめて文章にするスキル」が、実は表裏一体だったことに気づき、これは役立てない手はないと思った。
ブログなりサイトなりで、アウトプットすることができれば晴れて美術館にも映画館にも苦手意識を持たずに足を運べる。

ただ、そこで気づいたこともあった。
私は別に他人の創作物を評論したいわけではない。作品を見て、どう思ったかは人それぞれで構わないのだから。
その想いは、おそらく自分も大学で創作活動に触れてきたからだろう。
人様の活動に関して、自分のアウトプットを目的にどうこう言いたいわけではないのだ。
それに、評論はあくまで私の感じたことであり、作者が言いたいことをいい感じにまとめて文章にしていない。
私がやりたいことは、あまり日の目を見る機会がない、あらゆる活動でアートや芸能を守り抜く人たちの「想い」をいい感じに伝えることだ。
こうして私は、この「Artist+」を立ち上げたのだった。

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