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Artist Notes

〈インタビュー〉「kawaii」を描き続けるイラストレーターゼロコさん – “一緒に楽しむ”を創造する力

今や、日本の文化のひとつとして、海外でも通じるようになった日本語「kawaii」。思わず「あっ、かわいい!」と足を止めたくなるような作品を追求しているのがコスプレイヤーでイラストレーターのゼロコさんだ。自身の作品制作はもちろん、「医療×アート」をテーマにした展示の企画からストリートピアノの再起プロジェクトなど、好奇心旺盛に活動を続ける彼女の想いとは。

なくてはならない大切なものたち

−元々看護師として仕事をしていらっしゃったそうですが、イラストは以前から描かれていたんですか?

実は元々、イラストの専門学校を志望していたのですが、高校卒業してすぐだったので周りから資格をとることを勧められました。
看護師として数年間、忙しい日々を過ごしていましたが、絵が好きなのは変わらず描くことを続けていました。
コスプレに出会ったのも看護師として働いていた頃です。

−忙しい毎日だと、なにかよりどころのようなものが必要になってきますよね。

もしかしたら、厳しい現実に疲弊していたのかもしれません。
当時は急性期の脳外科病棟に勤務しており、思えば毎日生死の狭間を彷徨う患者様の看護をして、帰る時に申し送りした方が翌日には亡くなっていることもありましたので…。

−今は完全にイラストレーターとして仕事をされているんですか?

環境が変わり看護師では無くなりましたが、今も仕事は続けています。
ありがたいことに仕事をしながらイラストレーターもできるようになりました。

−SNSを拝見すると、イラストレーターやコスプレイヤーとして、とても生き生きと活動されている印象を受けました。ゼロコさんにとってイラストやコスプレはどのような存在ですか?

イラストもコスプレも自分の一部だと思っています。なくてはならないものですね。
別々の場所でやっていたものがいつのまにか、コスプレをしながらイラストを描いていて、同じ場所になったのも面白いと思います。
イラストはもちろん、コスプレは年齢関係なく続けていきたいです。

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十人十色のkawaiiと向き合う日々

−では、イラストについていろいろと伺っていこうと思います。ダークな可愛さが魅力の作品が多いように感じたのですが、ずっとダークテイストのイラストを描かれているんですか?

今こそダークなイラストを描いていますが、以前はキラキラでとても明るい女の子しか描いていませんでした。
でもある時ふと限界を感じたことがあり、改めて「可愛いもの」について振り返ってみようと思い、好きな物やファッションなどを考えるようになりました。
元々は明るい色より暗い色が好きでゴシックパンクやピアス、タトゥーに興味があって、思い切ってそれらを詰め込んでみたら自分の中で上手くいったな、と感じました。
そして、以前とは正反対の作風のダークなイラストも可愛いと言っていただけました。

−なるほど、模索の中で生まれたゼロコさんの「kawaii」だったんですね。抽象的な質問で申し訳ないのですが、ゼロコさんは「kawaii」をどのようなものだと思いますか?

私が思うkawaiiは、通りすがりの人が作品を初めて見て思わず「kawaii!」と言ってくれたら、もうそれはじゅうぶん「可愛い」なんだと思っています。

−受け手あってこその「kawaii」ですね。

人それぞれ思う「kawaii」はみんな違うんだと実感しました。
だからこそどんな「kawaii」作品を生み出そうか試行錯誤しています。考えれば考える程奥が深いです。

鑑賞するだけじゃない!体験して楽しめる展示づくり

−ゼロコさんは、定期的に「メディカルアート展」という展示の企画もされているそうですが、企画をはじめたきっかけを教えてください。

メディカルアート展はコロナ禍の2021年の冬から開催しています。
コロナ禍という状況からか、「作家さんが描いた医療の作品ってどんなものだろう?」とふと思いはじめたのがきっかけです。
医療従事者が描く作品とは視点が全く違う作品が見れるのでは…、そして医療×アートの展示会は珍しいかも!と思い、企画しました。

−確かに珍しい気がします!今回で4回目となるメディカルアート展ですが、今回は何名の作家さんが参加されているんですか?

参加者は私を含め24名です。
立体の作品や複数の作品を展示してくれる方もいます。とても楽しみです。

Artist+でも以前取り上げた神楽坂のSTORIES TOKYOさんで開催されるそうですね。

今回は、STORIES TOKYO様ではじめての開催になります。
STORIES TOKYO様では、以前行われた別の展示に何度か参加もさせていただきました。
メディカルアート展1〜3は、渋谷にあるBoji hair+gallery様の開催で、盛り上げていただき大変お世話になりました。

−はじめての場所ということで、新しい方に観覧してもらえるのも楽しみですね。今回の展示の見どころはどこですか?

毎回素晴らしい作品がずらりと展示されるところと、ギャラリー内を病院風にしてしまうところです。
会期中は開催ではなく、「開院」としております。
ご来院いただいた方が帰られる時には「大事にどうぞ」と声かけしています。

−あの空間が病院になるんですね!確かにSTORIES TOKYOさん、病院にすると面白いかも…。

ちなみに、オーナーさんは白衣を着て院長に、私はナース服を着て看護スタッフに変装します。

−オーナーのAKIRAさん、白衣姿似合いそうです!

お客さま用にも白衣とナース服は数着用意があるので、自由に着ていただき、診察室に見立てたフォトスポットで撮影も楽しんでもらえたらと思います。
そのほかにも、血圧測定、視力検査、包帯巻きなどの本物の医療器具も取り揃えているので実際に手にとっていただけます。
じっくり作品を見ていただきながら医療の世界観も体感していただきたいです。

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kawaiiという軸から生まれる「これから」

−このほかにも、「kawaii street piano」というプロジェクトに参加されているようですが、ずばり、「kawaii street piano」ってどんなプロジェクトですか?

さいたま新都心駅に置かれていたストリートピアノを復活させ、全国のストリートピアノができる場所に設置して多くの方に弾いていただくプロジェクトです。
そのピアノは、廃棄寸前のもので50年前に作られた年代ものなんです。

−まさに「復活」ですね…!そのプロジェクトに参加するきっかけは何だったんですか?

毎月第三日曜日に大宮で開催される「画家の小道」でイラスト販売していたところ、プロデューサーの方に出会い、ピアノにペイントして欲しいと言われたのがきっかけでした。

−絵を見たプロデューサーさんにスカウトされたわけですね。すてきな出会いです。ゼロコさんはキャラクターをデザインされたんですか?

私が真っ白なピアノに「音芽子(ねめこ)」と「Alice(アリス)」という2人の女の子を描いて、その子たちがオリジナルキャラクターになっています。
ピアニストのもかろんピアノさんが、音芽子のコスプレをしていろんな場所で弾いてくれたり、イベントに参加していただいたりと、ピアノとキャラクターを知っていただくために少しずつ活動の場を広げています。

【作品編】デザフェス58での特大音芽子の感想聞いてみた🤹🏼‍♀️🎨 – kawaii street piano ちゃんねる

−蘇った年代もののピアノ、今後の活躍に期待です!ゼロコさんの今後の目標ややりたいことなど教えてください。

まずはメディカルアート展4を楽しんでいただけるよう、沢山盛り上げて成功させたいです。
実はもう、来年のメディカルアート展5について早くも考え出していて、今回の成功はもちろん、今後もっと大きなものにできたら良いなと思っています。
私自身も、もちろん、ダークで可愛い作品を描き続けていきます。

−まずは、展示の成功ですね!楽しそうな展示なので、ぜひたくさんの方に行って体験してもらいたいです。「kawaii street piano」の方はどうですか?

「kawaii street piano」は、全国デビューに向けて、色々なイベントに参加したりライブペイントを行えたらと思います。
ゆっくりと確実なものにできたらと思っています。
ステージデビューやライブペイントなどもさせていただきましたが、たくさんの方にご協力いただき助けられてきました。
撮影や運搬、衣装制作など、どれをとっても1人ではできないことですし、『みんなで作るkawaii street piano』というのも1つのコンセプトです。
これからも感謝の気持ちを忘れず、作品を見ていただける幸せを噛み締めながら活動をしていきます。

さまざまなことに意欲的に取り組むゼロコさん。その「楽しむ姿勢」が作品にも表れている気がする。見る人の心をキュンと動かす「kawaii」を、これからもいろいろな場所で見せてくれるに違いない。


名前:ゼロコ
出身地:東京都練馬区
活動地:東京都、さいたま市
作品ジャンル:イラスト
SNS:Instagram /
YouTube:kawaii street piano ちゃんねる
作品販売サイト:BASE
使用画材:【アナログ】アクリル絵の具【デジタル】iPad ibis paint

経歴
元看護師とコスプレイヤーのイラストレーター
いろんなkawaiiを追求しながら制作中

2018年〜2020年
ギャラリーで展示を始める
2021年
医療系の展示会「メディカルアート展」主催
2022年
「メディカルアート展2」主催
デザインフェスタVol.55 56参加
屋外イベントでボディペイントを始める
画家の小道に参加
廃棄寸前のストリートピアノを復活させる為、「kawaii street piano」復活プロジェクト開始
画家の小道でストリートピアノのライブペイントを実施
公式キャラクターデザイン
2023年
メディカルアート展3主催
デザインフェスタVol57.58参加
sound cloud ジャケットデザイン
「kawaii street piano」大正時代まつりにてステージデビュー
デザインしたキャラクター実写化
2024年
「メディカルアート展4」主催(2/8〜2/12 stories tokyo)
「kawaii street piano」全国に向け活動予定 キャラクター、グッズデザイン展開中

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